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予約リードタイム:中央値42日、来月の半分はもう売れています

2026年9月9日 · 河邊亜美, All Good Stay 代表

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自社3棟6室の予約は、2025年8月から2026年7月までの12か月449件で、予約が入ってから到着するまでの中央値が42日でした(2026年8月21日時点、計算方法とあわせて運営データ公開しています)。

42日はちょうど6週間です。中央値なので、半分の予約は6週間より前に入っています。来月の稼働は、来月が始まる前にすでに半分が決まっている。この記事は、その1つの事実から出る実務上の帰結を並べます。

予約リードタイムとは何ですか。なぜ平均ではなく中央値ですか

予約が成立した日から、ゲストが到着する日までの日数です。自社の449件では中央値が42日でした。

中央値は、449件を短い順に並べたときの真ん中の1件です。平均を使わないのは、分布が右に長い尾を引くからで、半年前の予約が数件あるだけで平均は持ち上がり、実際の入り方を表さなくなります。中央値なら「半分がこれより前、半分がこれより後」と、そのまま業務に使えます。

逆に、中央値は尾がどこまで伸びているかを何も言いません。自社は分布を公開していないので断定しませんが、確かめ方は簡単です。自分の予約を予約日と到着日の差で並べ、90日超が何件あるかを数える。件数があるのにカレンダーを3か月で閉じているなら、その需要は最初から見えていません。

中央値42日は、来月について何を意味しますか

来月の予約の半分は、来月が始まる前どころか、6週間前の時点ですでに入っているということです。裏を返すと、今日の値付けや掲載内容が効くのは、主に来月ではなく再来月です。

何がいつ決まるのかを、42日を軸に並べます。

操作のタイミングその到着日の予約のうち触れる範囲実務上の意味
到着の42日より半分以上値付けと写真と掲載文が効くのはここ
到着の42日以内残りの半分埋まり方を見ながら微調整する区間です
到着の直前1週間残り半分の一部(内訳は非公開)値下げで動かせるのはこの範囲だけです

直前の値下げは、どこまで効きますか

動かせる在庫が少なく、しかも値下げは1泊ではなく予約1件分にかかります。稼働率83.6%は裏返せば空室16.4%で、30日の月なら1室あたり約4.9泊。これは1つの塊ではなく、予約と予約のあいだの1泊や2泊の穴として散らばっています。

値下げは日付に設定しますが、予約は平均3.3泊です。1泊の穴のために日付を安くすると、その日付をまたぐ予約3.3泊分の単価が下がります。1泊を売るために何泊を差し出すのか、泊数に換算します。

空室1泊に対する値下げ幅平均3.3泊にかかる値引き(泊数換算)差し引き
5%0.17泊+0.83泊
10%0.33泊+0.67泊
20%0.66泊+0.34泊
30%0.99泊+0.01泊
40%1.32泊-0.32泊

値下げ幅の境目はどこですか

自社の平均3.3泊では、およそ30%です。1÷3.3=30.3%で、これを超えると、埋めたかった1泊よりも差し出す値引きのほうが大きくなります。

これは上限側の計算で、値下げがなくてもその予約が入っていた場合を想定しています。本当に新規の予約を連れてきたなら損は小さくなりますが、どちらだったかは事後に判別できません。深い値下げは「効いたかもしれない」に対して確実な単価の低下を払う取引です稼働率と単価は必ず並べて見ます)。

実務でもう1つ効くのが最低宿泊日数です。穴が1泊で最低2泊なら、いくら安くしても売れません。値下げの前に、穴の長さと最低宿泊日数が噛み合っているかを見ます。

値付けを外すなら、高いほうと安いほう、どちらが取り返しがつきますか

高いほうです。中央値42日という数字は、値付けの失敗が非対称であることを意味します。

外し方気づくタイミング打ち返せるか
安すぎた予約が入った後。早ければ到着の6週間以上打ち返せません。成立した予約の単価は動かせません
高すぎたカレンダーが埋まらないのを見て、到着より前に打ち返せます。残り半分の需要がまだ来ていません

写真や料金を変えた効果は、いつ測れますか

変更のおよそ3か月後です。中央値42日なので、これから6週間に到着する予約は、すでに半分が旧設定で売れています。

9月上旬に写真と料金を入れ替えた場合、10月の実績はまだ半分が旧設定の産物です。需要のほとんどが変更後に集まる最初の月は11月、その結果が出るのは12月初めになります。代行会社を変えた直後に数字が動かないのは、多くの場合これが理由です代行会社の乗り換え)。

乗り換えや掲載の作り直しは、翌月の実績ではなく、変更後に入った予約の単価とペースで見ます。翌月のP/Lで判定すると、前任者の仕事を評価していることになります月次P/Lの読み方)。

自社はこの42日をどう使っていますか

作業の重心を、到着の6週間より前に置いています。単価は季節ごとではなく日々見直し、掲載内容の手入れも常時行います。直前にできることは残り半分の上でしか起きず、そこでの道具は値下げしかないからです。

他社の物件について、リードタイムが何日になるとは言いません。42日は東京と札幌の自社6室が12か月で記録した実績で、立地、収容人数、客層、そして掲載チャネルの構成で変わります。約束できるのは、お預かりした物件のリードタイムを最初の数か月で実測し、値付けの締め切りをその物件の数字で決めることです。

よくあるご質問

予約はどれくらい前に入りますか
自社3棟6室の12か月449件では、予約から到着までの中央値が42日、ちょうど6週間でした(2026年8月時点)。中央値なので半分はこれより前、半分は後です。他の物件で同じ日数になるとは限らず、立地と客層と掲載チャネルで変わります。
直前の値下げは効きますか
残り半分の需要に対してだけ効きます。しかも値下げは日付に設定するため、平均3.3泊の予約1件分の単価が下がります。1泊の空室を埋めるための値下げは、20%なら0.66泊分、30%なら0.99泊分を差し出す計算になり、およそ30%を超えると埋めたかった1泊より値引きのほうが大きくなります。
料金を安めに設定しておくのは安全ですか
安全ではありません。安すぎる値付けは予約が成立してから分かり、成立した予約の単価は動かせません。高すぎる値付けは埋まらないカレンダーとして到着前に見え、残り半分の需要が来る前に直せます。迷うなら高い側に外すほうが打ち返せます。
代行会社を変えた効果は、いつ判断すればいいですか
変更のおよそ3か月後です。中央値42日だと、変更から6週間に到着する予約は半分が旧設定で売れています。需要の大半が変更後に集まる最初の月の実績を待ち、それまでは月次の売上ではなく、変更後に入った予約の単価とペースで見てください。

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