自社3棟6室の予約は、2025年8月から2026年7月までの12か月449件で、1件あたりの平均宿泊日数が3.3泊でした(2026年8月21日時点、計算方法とあわせて運営データに公開しています)。
同じ期間の稼働率は83.6%です。30日の月なら1室あたり約25.1泊が売れ、それが3.3泊ずつに分かれるので、入れ替えは月7.6回になります。泊数の話は、突き詰めるとこの回数の話です。
平均宿泊日数とは何ですか。なぜ収支に効くのですか
予約1件が何泊かの平均で、自社は3.3泊でした。収支に効くのは、費用の大きいほうが泊数ではなく予約の件数について発生するからです。
清掃は1泊ごとではなく1件ごとに1回入ります。リネン、消耗品の補充、点検も同じで、ゲストが3泊でも5泊でも、作業は出ていったあとの1回です。一方、売上はおおむね泊数について増えます。
つまり同じ25.1泊を7.6件で売るか5件で売るかで、売上はほぼ変わらないまま、清掃回数だけが変わります。これが泊数を収支の話にする理由です。
泊数が変わると、清掃費は売上の何%になりますか
自社の17.5%を基準に換算すると、平均2.5泊なら23.1%、4泊なら14.4%です(清掃費の実績は民泊の清掃:売上の17.5%に内訳を書いています)。
計算は単純で、17.5×3.3÷平均泊数です。清掃回数が平均泊数に反比例するので、売上比も同じ形で動きます。
| 平均宿泊日数 | 月の入れ替え回数(稼働83.6%、30日) | 清掃費の売上比(自社17.5%から換算) |
|---|
| 2.0泊 | 12.5回 | 28.9% |
| 2.5泊 | 10.0回 | 23.1% |
| 3.0泊 | 8.4回 | 19.3% |
| 3.3泊(自社実績) | 7.6回 | 17.5% |
| 4.0泊 | 6.3回 | 14.4% |
| 5.0泊 | 5.0回 | 11.6% |
| 7.0泊 | 3.6回 | 8.3% |
この換算には、どんな前提が入っていますか
1泊あたりの単価が変わらないことです。ここが崩れると表は使えません。
現実には長い予約は週割や月割と引き換えに入ることが多く、泊数が伸びるほど分母の売上も下がります。上の表は泊数だけが動いた場合の費用比で、長期化の損得はまだ何も言っていません。
損得を出すには、浮く清掃1回がいくらなのかを、値引きと同じ単位に直す必要があります。
清掃1回は、泊数に直すとどれくらいですか
自社の数字では約0.58泊です。売上の17.5%が月7.6回に分かれるので1回は月商の2.3%、月商は25.1泊分なので、25.1×0.023で0.58泊になります。
金額ではなく泊数で書くのは、比なら移植できるからです。清掃単価も宿泊単価も物件ごとに違いますが、「清掃1回は平均的な1泊の6割弱」なら、自分の数字を入れて確かめられます。
この0.58泊が、以下すべての基準になります。清掃を1回減らす価値は、これ以上でもこれ以下でもありません。
長期割引は、何%までなら割に合いますか
自社の数字では、およそ8.8%までです。3.3泊の予約2件を6.6泊の1件にまとめると清掃が1回減り、0.58泊が浮きます。一方で割引は6.6泊すべてにかかるので、d%の割引は0.066d泊を差し出す計算になり、0.58÷0.066=8.8%が境目です。
| 6.6泊への割引 | 差し出す値引き(泊数換算) | 浮いた清掃0.58泊との差し引き |
|---|
| 5% | 0.33泊 | +0.25泊 |
| 8.8% | 0.58泊 | ±0泊 |
| 10% | 0.66泊 | -0.08泊 |
| 15% | 0.99泊 | -0.41泊 |
| 20% | 1.32泊 | -0.74泊 |
| 30% | 1.98泊 | -1.40泊 |
この計算が成り立たないのは、どんな月ですか
埋まらない月です。8.8%という境目は、6.6泊の予約を断っても3.3泊が2件入るという前提の上にだけ立っています。
稼働83.6%はその前提をおおむね満たしますが、月ごとに見ると話は変わります。自社の12か月でいちばん弱かったのは札幌の2025年11月で68.3%、次が2026年4月の71.1%でした(稼働率の月ごとの振れ)。68.3%の月は1室あたり9.5泊が空いています。
空いている月に長期割引が買っているのは、浮いた清掃ではなく泊数そのものです。比べる相手が「3.3泊の2件目」ではなく「空室」なら、8.8%はまったく効かない基準になります。逆に稼働が高い月に深い長期割引を出すと、入ったはずの予約を安く売り直しているだけになります。
同じ割引が月によって正解にも間違いにもなるので、自社は長期割引を通年の固定値では持ちません。
長い予約が稼働を壊すのは、どこですか
最低宿泊日数の設定と、予約と予約のあいだに残る端数です。長期化を狙って最低泊数を上げると、この端数が売れなくなります。
稼働83.6%の裏側は空室16.4%で、30日なら1室あたり約4.9泊。これは1つの塊ではなく、月7.6回の継ぎ目に散らばっていて、平均すると1つの継ぎ目あたり0.64泊です。つまり典型的な穴は1泊か2泊で、最低3泊を課した瞬間にどれだけ安くしても売れません(直前値下げの算数)。
もう1つは、長い予約が入ったあとに残る形です。7泊の予約が月の真ん中に入ると、前後に3泊と4泊の枠が残ります。これは売れますが、5泊が2つ残る形にはもうできません。長期予約は費用を減らすかわりに、カレンダーの自由度を先に使います。
自社は3.3泊をどう扱っていますか
平均泊数を伸ばす目標は置いていません。見ているのは泊数そのものではなく、清掃回数と単価と稼働の組み合わせで、3.3泊はその結果として出てきた数字です。
実務としては、最低宿泊日数を月ごとに動かします。埋まる月は短い予約を止めず、弱い月は長い予約を歓迎する。長期割引も埋まり方を見てから月単位で出します。8.8%は判断の物差しであって、通年で守る値ではありません(運営コストの内訳)。
他社の物件について、平均泊数が何泊になるとは言いません。3.3泊は東京と札幌の自社6室が12か月で記録した実績で、間取り、収容人数、駅からの距離、客層で変わります。約束できるのは、お預かりした物件の平均泊数と清掃1回の泊数換算を最初の数か月で実測し、その物件の数字で最低泊数と長期割引を決めることです。