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札幌で民泊を始める:市場、許可、そして雪の運用コスト

2026年8月6日 · 河邊亜美, All Good Stay 代表

雪の札幌の住宅街、灯りのともる窓

私たちは札幌市北区で3室(SAPPORO NORTH)を運営しています。地下鉄南北線の駅から徒歩4分、さっぽろ駅まで2駅の住宅街です。この記事は、札幌で物件をお持ちの方、あるいは札幌での購入を考えている方に向けて、運営者として知っていることを書きます。

先に結論めいたことを言うと、札幌は東京より競合が薄く、物件価格に対する宿泊単価の比率が良い街です。そのかわり、需要の季節差が大きく、冬の運用には東京にはないコストがかかります。この両面を知った上で始めれば、堅い市場です。

需要は二峰性、そして冬が主役

札幌の宿泊需要は年に2つの山があります。大きいのは冬です。12月から2月、雪まつり(毎年2月上旬)、スキー(手稲まで約55分、キロロ、ルスツ、ニセコへの拠点)、そして雪の街そのものを見に来る東南アジアからのゲスト。もうひとつは夏で、6月から8月、よさこいソーラン、大通のビアガーデン、避暑です。

逆に4月から5月と、10月から11月は静かです。この谷を織り込んだ収支で考えることが、札幌で一番大事な計算です。年間を通した平均稼働で見積もると、春秋の谷で必ず期待を裏切られます。

ゲストの構成も東京と違います。私たちの宿では、冬は東南アジアと韓国、雪まつり期は世界中から、夏は国内と台湾・香港が中心です。英語対応は必須で、これができない運営はレビューに直結します。

許可まわり:札幌の実務

制度は全国共通で、旅館業許可(営業日数の上限なし)か、民泊新法の届出(年180日まで)です。札幌の申請窓口は札幌市保健所で、消防は札幌市消防局の管轄です。私たちのSAPPORO NORTHは旅館業許可(札保生許可(旅)第64号、会社概要公開)で運営しています。

取り方の全体像は旅館業許可の取り方書いたとおりで、札幌でも順番は同じです。事前相談が先、内装が後。ひとつ札幌らしい点を挙げるなら、需要の主役が冬なので、夏に許可を取り終えて秋に立ち上げ、12月の繁忙期を最初から取りに行くのが理想の時間割です。

雪のコスト:東京の記事には書かれていないこと

札幌の民泊の収支には、東京にはない行が入ります。実際に払っている立場から並べます。

  • 除雪:ゲストが歩く入口と通路の雪かきは、清掃とは別の作業です。降雪の日は毎日発生します。業者に頼むか、清掃チームと除雪込みで契約するか、始める前に決めておく必要があります
  • 暖房費:11月から3月の光熱費は夏の倍以上になります。セントラルヒーティングの建物か、各室エアコン+パネルヒーターかで金額も使い勝手も変わります
  • 水道の凍結管理:冬に空室が続く場合、水抜きか最低限の暖房維持が必要です。これを知らずに1月に配管を破裂させると、修繕費で冬の利益が消えます
  • ゲスト案内の冬仕様:路面が凍る街に慣れていないゲストがほとんどです。駅からの道順、靴の注意、暖房の使い方。案内文の冬版を持っておくと、真夜中の「暖房がつかない」連絡が激減します
SAPPORO NORTHの客室
SAPPORO NORTHの客室。冬の札幌の宿は、部屋の暖かさと入口の除雪がレビューを分けます。

どんな物件が札幌で勝つか

エリアで言えば、観光地の目の前である必要はありません。私たちの北区の宿は観光地図には載らない住宅街ですが、地下鉄4分の立地が「静かで、どこへでもすぐ出られる」というレビューになって返ってきます。中心部より物件価格が抑えられ、単価はそこまで落ちない。この差が札幌の妙味です。

  • 地下鉄駅から徒歩5分圏内。雪の中を歩く距離は、夏の倍に感じられます。「駅近」の価値は東京より高い
  • さっぽろ・大通・すすきの乗り換えなしで出られる路線。観光の拠点性がそのまま稼働になります
  • 4名以上が泊まれる広さと full kitchen。ファミリーとスキーグループが札幌の主役ゲストです
  • 洗濯乾燥機。雪で濡れる冬とアクティブな夏、どちらの季節でもレビューに書かれる設備です

私たちがお手伝いできること

札幌は、私たちが自分の宿と清掃・除雪の体制を持っている2都市のうちのひとつです。物件をお持ちなら、そのエリアでの想定価格と稼働の見立てを無料でお出しします。これから購入を考えている段階でも、候補物件の筋の良し悪しはお伝えできます。

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よくあるご質問

札幌の民泊は儲かりますか。
物件によります。確かなのは、需要の季節差が大きいこと、そして中心部でなくても地下鉄駅近なら稼働が取れることです。年平均ではなく、冬の山と春秋の谷を分けた月次で収支を見てください。
冬の運用は自分でできますか。
札幌市内にお住まいで、降雪日に毎回対応できるなら可能です。市外や道外にお住まいなら、除雪込みの運用体制を持つ会社に任せることを強くおすすめします。除雪の穴は、転倒事故と最低評価レビューという一番高い形で請求が来ます。
雪まつりの時期だけ貸すことはできますか。
民泊新法の届出(年180日まで)なら、冬に集中して営業する設計は制度上可能です。ただし立ち上げ費用は同じだけかかるので、180日を冬に寄せた場合の収支で回収を計算してください。通年で回すなら旅館業許可が前提になります。
東京の物件と札幌の物件、どちらから始めるべきですか。
すでにお持ちの物件があるなら、その物件からです。これから買うなら、予算と目的次第です。同じ予算なら札幌のほうが広い物件が買え、ファミリー需要を取りに行けます。東京は単価と通年の安定で勝ります。どちらも私たちの対応エリアなので、両方の見立てを並べてお出しできます。

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