日本の不動産は、居住要件も国籍要件もなく海外から所有できます。難しいのは所有ではなく、その物件で許可を取った宿泊事業を海外から運営することです。
私たちは東京と札幌で自社の宿3棟6室を運営する株式会社AG STAYです。許可番号は会社概要に、稼働率と運営コストの割合は運営データに、ゲストレビューは各物件ページに届いた順で公開しています。海外在住のオーナー様の物件もお預かりしています。距離が何を変えて何を変えないかを、自社の実数で説明します。
海外にいると、現地の仕事はどれくらい減りますか
減りません。自社の部屋は1室あたり月におよそ7回、新しいゲストに開けられます。その7回はすべて、住所のある場所で起きる物理的な出来事です。
計算は自社の数字で追えます。2025年8月から2026年7月までの12か月、6室の稼働率は83.6%、平均宿泊日数は3.3泊でした(2026年8月21日時点、計算方法は運営データに公開しています)。30日×0.836を3.3で割ると、1か月およそ7.6回の入れ替えです。同じ12か月の予約件数は449件です。オーナー様が世田谷にいてもロンドンにいても、この回数は変わりません。距離が変えるのは何回立ち会えるかだけで、その答えはゼロです。
国内にお住まいなら代行は便利さの問題で、足りない部分は車で行けば埋まります。海外からは埋まりません。代行が運営そのものになるので、求める水準は上がり、レポートは検算できる形でなければ意味がありません。
距離が生む4つの問題
- ◆許認可:保健所と消防への相談・申請は日本語かつ対面が基本です。制度の選び方は旅館業許可と民泊新法、実際の手順は旅館業許可の取り方にまとめました
- ◆運営:清掃、リネン、近隣対応、深夜に入れないというゲストへの対応。すべて現地の仕事で、すべてレビューに直結します(民泊の清掃、近隣からの苦情)
- ◆税務:日本で生じた宿泊収入は居住地に関わらず日本で課税され、非居住者は原則として納税管理人を立てて申告します。銀行口座と送金経路はそれ自体が別のプロジェクトです
- ◆言語:行政からの通知も税務の書類も近隣との会話もすべて日本語で、重要なものほど紙で届きます
海外在住でも、どの制度で運営できますか
制度の側にオーナーの居住要件はありませんが、私たちがお預かりできるのは旅館業許可の物件、または許可の取得を前提とする物件だけです。
理由はオーナー様の側ではなく私たちの側にあります。株式会社AG STAYは住宅宿泊管理業者の登録を持たず、取得の予定もありません。自社6室はすべて旅館業許可です。そのため民泊新法(住宅宿泊事業)の届出のまま続ける物件はお受けできず、旅館業許可への切り替えを前提にご相談を承ります。用途地域や建物の条件で許可が難しければ、契約後ではなく下見の段階で正直にお伝えします。
制度の要件そのものは、観光庁の民泊制度ポータルサイトと、物件所在地を管轄する保健所・自治体の窓口で確認してください。この記事のような一覧は書いた瞬間から古くなりますが、その2か所は古くなりません。
| 旅館業許可(簡易宿所) | 民泊新法の届出 |
|---|
| お預かり | 対応します | 旅館業への切り替えを前提にご相談 |
| 年間の営業日数 | 上限なし | 180日 |
| 制度が決める稼働率の天井 | なし | 180÷365=49.3% |
| 自社6室 | 6室すべて | なし |
任せる会社に求める水準
私たちが自社に課しているのと同じ基準です。そのまま私たちにも当ててください。
- ◆許認可の道筋を行政と日本語で進め、通らない物件は着手前に通らないと言う
- ◆掲載を置くだけでなく、価格・ゲスト対応・清掃を毎日運営する(中身は代行の費用)
- ◆夜間のゲスト対応をオーナーに担わせない(24時間対応)
- ◆取引先のロゴではなく自社の運営実績を指させる。許可番号、現役の掲載、直近10件のレビューを選ばずに出せるか。私たちは出しています
月次レポートには、何が載っていれば足りますか
オーナー様が自分で検算できる形になっていれば足ります。具体的には、分母を定義した稼働率、同じ月の平均日単価、そして除外項目を明記した費目別のコスト割合の3つです。
気をつけるべきは稼働率です。分母の作り方に業界共通の決まりがないので、同じ物件でも会社によって違う数字が出ます。自社の定義は公開しています。成立予約のみを数え、物理的な部屋を1回だけ数え、部屋は開業した月から数え、一棟貸しと部屋貸しの同時掲載は掲載単位で足さず部屋の側に開きます。分母を書かない数字は、海外から確かめようがありません(稼働率の読み方)。
| 見る数字 | 隣に必要なもの |
|---|
| 稼働率 | 分母の定義。部屋単位か掲載単位か、開業月からか契約月からか |
| 平均日単価 | 同じ月のもの。値下げで買った稼働かどうかが見えます |
| 清掃費 | 売上に対する割合。自社12か月の実績は17.5%です |
| 運営コスト合計 | 何が含まれ、何が除かれているか |
自社のコスト割合は、どうなっていますか
同じ12か月の売上に対する割合で、清掃17.5%、消耗品4.2%、電気2.6%、設備・備品修繕1.1%、宿泊税1.1%、ガス1.0%、保険料0.4%、合計27.9%でした(2026年8月21日時点、自社3棟6室)。
この合計には除外項目が2つあり、それを書かずに数字だけ渡すと比較に使えません。家賃と代行手数料は意図的に外しています。建物を借りて運営している私たちと、自分の物件をお預けになるオーナー様とでは、どちらも前提が違うからです。水道は請求が2か月ごとで元データになく、実際の合計は少し高くなります。現地に行けないオーナー様が求めるべき開示水準はこの粒度です(月次P/Lの読み方)。
海外在住のオーナー様には、このレポートを英語でお出しします。言語による追加料金はいただきません。
税務は誰がやりますか
日本で生じた宿泊収入は、オーナー様の居住地に関わらず日本で課税され、非居住者は原則として納税管理人を立てて申告します。ここから先は税理士の領域なので、この記事では断定しません。
確認先を書きます。国税庁のウェブサイト、物件所在地を管轄する税務署、日本語と英語の両方を扱える税理士。ご希望があればご紹介します。お住まいの国で同じ収入がどう扱われるかは両国間の租税条約の話で、そちら側の専門家にお尋ねください。
私たちが引き受けるのはその手前の実務です。英語の月次レポート、会計士に渡せる年1本のファイル、宿泊税が課される自治体での申告。宿泊税はお預かり物件では通常業務です。ブログの一節が税理士の代わりになるふりはしません。
私たちに頼むのが間違いになる場合
- ◆日本国内に、雪の朝でも近隣からの呼び出しでも動けるご家族や共同経営者がいる場合。その方のほうが契約書より速いです
- ◆物件が東京23区と札幌市の外にある場合。下見に行けない場所はお約束しません
- ◆民泊新法の届出のまま180日の枠内で続けたい場合。正当な方針ですが、私たちの体制とは噛み合いません
- ◆稼働率を書面で保証してほしい場合。上に書いた83.6%は自社6室の実績であって、まだ見ていない物件にお約束できる数字ではありません
私たちとの進み方
料金は成果報酬型で売上の20%から、正確な料率は下見のあとに決めます。日本で使われている4つの料金モデルの違いは代行の費用にまとめました。お預かりは全オーナー様共通で同時5件まで、対応エリアは東京23区と札幌市です。
- ◆物件の場所と写真をお送りいただく。向く制度と、無理のない見立てをお返しします
- ◆許認可と立ち上げは日本側で完結します。ご署名が必要なものは、届く前に英語でご説明します
- ◆日々のゲスト、清掃、価格、近隣対応は私たち。夜間も含みます
- ◆月次レポートは英語で、分母つきで。送金は合意したスケジュールで
- ◆ご判断が必要なときは、日本語のPDFを転送せず、選択肢と推奨を英語でお出しします
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