自社3棟6室の12か月で、設備・備品修繕は売上の1.0%でした(2025年10月から2026年9月、2026年10月1日時点の自社実績。計測方法とあわせて運営データに公開しています)。
この行が小さいのは、設備が丈夫だからではありません。同じ12か月を月別に分けると、6か月は0.0%で、いちばん大きい月は4.7%です。問題は壊れるかどうかではなく、止まった日の数時間に何をするかで、そこでこの行の高さと、その月のレビューが決まります。
Wi-Fiや給湯が止まったら、まず何が起きるのですか
最初に動くのは修理ではなく、連絡です。一報を受けてからの数分でやるのは、遠隔で戻るかどうかの切り分けと、今夜その部屋に泊まれるかどうかの判断の2つだけです。
切り分けの順番は症状ごとに決めてあって、その場で考えません。遠隔でできることを先に全部試し、戻らなければ人が向かいます。一次受けは24時間動いていて、判断が必要なところで人に渡ります(ゲスト対応は24時間必要か)。自社6室はすべてエアコン、暖房、給湯、洗濯機つきなので、この表の5行はどの部屋でも起こり得ます。
| 症状 | 先に試すこと | 人が現場に行くか |
|---|
| Wi-Fiがつながらない | ルーターの遠隔再起動、回線事業者の障害情報、端末側の確認 | 多くは行かずに戻ります |
| お湯が出ない | ブレーカーと給湯器のリセットを写真の手順で案内 | 戻らなければ行きます |
| エアコンが効かない | 設定とリモコン、フィルター、室外機の前をふさいでいないか | 行くことが多い項目です |
| 洗濯機が止まる | エラー表示の読み取り、排水と扉のロック | 多くは行かずに戻ります |
| 玄関が開かない | 暗証番号の再発行、電池の残量 | 電池なら行きます(鍵の受け渡し) |
直るまでの時間は、何で決まるのですか
部品が建物の中にあるかどうかで決まります。業者の空き状況は、その次です。
業者を呼ぶと、早くても翌日、季節によっては数日先になります。エアコンが効かない日が真夏の東京で、給湯器が止まった日が真冬の札幌なら、その数日は部屋を売れません。だから各建物に置いているのは、交換が5分で済んで、置いておいても傷まない物だけです。予備のルーター、電球、スマートロックの電池、シャワーヘッドとホース、延長コード、リネン一式。給湯器とエアコンの代わりは置けないので、ここは業者との付き合いの長さで埋めるしかありません。
もう1つの資源は時間です。退室は11時、入室は16時なので、作業に使える窓は5時間(1室だけ退室10時)。その大半は入れ替えの清掃が使うので、30分を超える作業は入室のない日に寄せます。稼働83.7%ということは、予約の入っていない夜が1室あたり月およそ5泊しかないという意味でもあります。修繕の予定は、この5泊の取り合いです。
修繕が売上の1.0%で収まっている理由は何ですか
月7回から8回、人が部屋に入っているからです。
清掃は売上の17.0%で、運営費のいちばん大きい行です(運営コストの内訳)。修繕の17倍あります。この2つは別の費目に見えて、実際には同じ仕組みの表と裏です。稼働83.7%、平均3.3泊なら1室あたり月7回から8回入れ替わり、そのたびに人が入って、まだ壊れていないものの異音や水の跡を見つけます。清掃を安くするという判断は、この点検の回数を減らす判断でもあります(民泊の清掃)。
| 月 | 設備・備品修繕(売上比) |
|---|
| 2025年10月 | 1.2% |
| 2025年11月 | 1.5% |
| 2025年12月 | 1.4% |
| 2026年1月 | 2.2% |
| 2026年2月 | 4.7% |
| 2026年3月 | 0.0% |
| 2026年4月 | 0.0% |
| 2026年5月 | 0.0% |
| 2026年6月 | 0.0% |
| 2026年7月 | 0.0% |
| 2026年8月 | 1.3% |
| 2026年9月 | 0.0% |
運営データで公開しているのは12か月の合計だけで、上の月別は同じ期間を帳簿から月ごとに分けたものです。金額が出た6か月は、2025年10月から2026年2月までと2026年8月。暖房と冷房に負荷がかかる時期です。0.0%だった6か月は3月から7月と9月、つまり季節の軽い月でした。
6室12か月では因果を証明できません。ただ点検の時期を決めるには足りていて、私たちはエアコンを6月より前に、暖房と給湯を10月より前に見ます。札幌で手間と費用が集まるのは雪が積もる2月ではなく、冬支度をする11月です(雪国の民泊)。交換の山が年4か月に集まる話は初期の家具と設備に分けて書きました。
ゲストには、いつ、何を伝えるのですか
直る前に伝えます。復旧の見通しが立っていなくても、立っていないまま伝えます。
連絡に入れるのは3つです。いま使えないもの、次に連絡する時刻、その間の代わりになる手段。お湯が出ない夜なら近くの銭湯、洗濯機なら最寄りのコインランドリー、エアコンなら扇風機の持ち込み。代わりを出せないときは、部屋の移動か滞在の短縮の相談に入ります。
お金の話は、ここでは約束を書きません。返金や部分返金、移動の費用を誰が負担するかは、予約した経路の規定と運営代行の契約、加入している保険の3つで変わります。読む場所は契約書と保険の補償範囲です(運営代行の契約書、民泊の保険)。先に決めておかないと、決めるのが夜中になります。
星が下がるのは、壊れたからではなく、連絡が来なかったからです。これは6室で数えて出した数字ではなく、6室を回していての判断です。不具合が起きた事実が書かれたレビューと、放置された不満が書かれたレビューは、同じ星になりません(レビュー評価)。
交換するとき、届出や許可に関わることはありますか
同等品への交換と、仕様が変わる交換は、別のものとして扱っています。
ここに一覧表を置かないのは、条件が建物と自治体で変わり、公開した時点から古くなるからです。私たちがやっているのは、仕様が変わる交換の前に電話することです。水回りと換気は保健所の担当課、消火器と警報器と誘導灯は点検業者と消防署(消防設備の点検)。許可の条件そのものに触れる工事は、設計の段階で確認します(旅館業許可の取り方)。
順番が逆になると高くつきます。工事を終えてから聞くと、直したものをもう一度壊すことになります。
代行会社には、設備について何を聞けばいいですか
4つです。どれも答えが1つに決まる質問で、答えが曖昧な相手は、夜中に動いた経験がありません。
- ◆夜11時にお湯が止まったら、誰が何を順番にやるのか。手順を言葉で言わせてください。「すぐ対応します」は手順ではありません。
- ◆建物に置いている予備の一覧。何も置いていない会社は、毎回業者を待ちます。
- ◆直近12か月で、設備が理由でゲストを移動させた件数と、その費用を誰が負担したか。
- ◆見積りと発注の権限。いくらまでなら確認なしで直すのか、それを超えたら誰がいつ決めるのか。
最後の1つは、契約に書いておく価値があります。上限を決めていないと、夜中に電話がつながるまで修理が始まりません。自社の料金では、リネンと消耗品と修繕は実費のままで、上乗せしていません(料金の考え方)。修繕で利益が出る形にしておくと、直す判断と儲ける判断が混ざります。
この1.0%は、自分の物件に当てはめられますか
当てはめられません。修繕の比率は建物の年齢と設備の年齢の結果で、同じ建物でも設備を入れて1年目と10年目では別の数字になります。自社3棟も年齢が違います。
私たちが出せるのは将来の比率ではなく、毎月の実測値です。費用の行は毎月そのままお渡しし、何が止まって、誰が行って、どこに払ったかまで並べます(月次報告)。稼働率も修繕費も、数字でのお約束はしません。