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料金は毎日見直します:中央値42日なので、今日の値付けが効くのは主に再来月です

2026年10月6日 · 河邊亜美, All Good Stay 代表

生成りの布の上に大きさ順に並べた真鍮の分銅、ひとつだけ列から離して置いてある

自社6室の宿泊料金は、日付ごとに毎日見直しています。季節の料金表は作りません。決めているのは運営している私たちで、ツールがするのは提案までです。

以下は2026年10月1日時点、自社3棟6室の12か月(2025年10月から2026年9月)に到着した489件の予約の記録です。計算方法は運営データに公開しています。金額は出さず、比率と泊数と日数だけで書きます。

料金は、結局だれがどうやって決めているのですか

日付ごと、部屋ごとに、人が毎日決めています。ダイナミックプライシングのツールが予約の入り方から希望価格を提案し、それを通すか上書きするかを私たちが判断します。

ダイナミックプライシング(動的料金)とは、同じ部屋の1泊の値段を日付ごとに動かす値付けです。季節で料金表を切り替えるのとは別物で、同じ週でも曜日と残り日数で値段が変わります。

毎日見ているのは4つ、1棟あたり数分です。

  • これから90日の各日付がどこまで売れているか。速いか遅いかは、残り日数の近い過去と比べます
  • 1泊や2泊の穴がどこにできたか。前後を予約に挟まれた日は、普通の空室と扱いが違います
  • 同じ駅の徒歩圏にある、定員と広さの近い部屋の売り出し価格
  • その日付に地域の行事、連休、学校の休みが重なっていないか

なぜ季節ごとの料金表を作らないのですか

料金表を先に書くと、書いた時点の想定で1年分の値段が固まり、需要がずれてもずれたまま売り続けることになるからです。

振れ幅は12か月を月別に並べると見えます。6室合計の稼働率は18.6ポイント、東京の3室だけなら35.2ポイント動きました。2都市が同じ月に逆へ動くこともあり、2025年10月は東京95.2%に札幌80.6%、2026年9月は東京60.0%に札幌83.3%です。

平均83.7%は、どちらの都市のカレンダーにも当てはまりません(季節変動)。固定しているのは料金表ではなく、判断の順番のほうです。

範囲いちばん高い月いちばん低い月差
自社6室90.3%(2025年10月)71.7%(2026年9月)18.6ポイント
東京の3室95.2%(2025年10月)60.0%(2026年9月)35.2ポイント
札幌の3室94.0%(2026年2月)68.3%(2025年11月)25.7ポイント
木の板に真鍮の画鋲で留めた無地の紙、窓からの風で角がめくれている

中央値42日は、値付けの順番をどう変えますか

今日いじった値段が効くのは、主に来月ではなく再来月だということです。

489件の予約は、予約から到着までの中央値が42日、ちょうど6週間でした。半分はそれより前に入るので、来月の稼働は来月が始まる前にすでに半分決まっています(予約リードタイム)。

だから見直しの重心は直近の1週間ではなく、30日から90日先に置きます。稼働率83.7%は裏返せば空室16.3%、30日の月なら1室あたり約4.9泊で、それも塊ではなく予約と予約のあいだの穴として散らばっています。

値段のほかに、どのレバーをどの順で動かしますか

最初に動かすのは値段ではなく、最低宿泊日数と穴の扱いです。

効き方が違います。値段はその日付をまたぐ予約の全泊数に効きますが、最低宿泊日数と長期割引は予約の形そのものを変えます。前後を挟まれた1泊の穴なら、値下げより2泊の縛りを外すほうが安く済みます。

長期割引には境目があります。3.3泊の予約2件を6.6泊の1件にまとめると入れ替えが1回減り、稼働83.7%と平均3.3泊なら入れ替えは1室あたり月7.6回、清掃は売上の17.0%なので1回は約0.56泊。割引は6.6泊すべてにかかるため、0.56÷0.066で約8.5%です。前の12か月では8.8%でした(平均3.3泊)。自分の清掃費と平均泊数から引き直す数字です。

レバー何が変わるか動かす場面
最低宿泊日数その日付に入れる予約の形1泊や2泊の穴が残ったとき
長期割引の率長い滞在の入りやすさ閑散期、入れ替えを減らしたいとき
予約を受け付ける先の長さ見えている需要の範囲リードタイムの長い予約を取りこぼしているとき
写真と掲載文見られてから選ばれるまでいつでも。ただし効くのは42日より先です
1泊の値段売れる速さ上の4つを動かしたあと

値下げを最後に回すのは、なぜですか

値下げは日付に設定しますが、効くのは予約1件の全泊数に対してだからです。

1泊の穴のために日付を安くすると、その日付をまたぐ予約の平均3.3泊分の単価が下がります。d%の値下げは0.033d泊を差し出す計算で、1泊を売るのと釣り合うのは1÷3.3=30.3%まで。値下げなしでも入っていた予約なら、差し出した分がそのまま減ります。

料金全体を下げる場合はもっとはっきりします。しかも稼働が上がれば入れ替えも増え、最大の費目である清掃が重くなります。稼働率は平均単価とセットでしか意味を持ちません(稼働率)。

単価の下げ幅売上が並ぶのに必要な稼働率いまの83.7%からの上げ幅
10%下げる93.0%+9.3ポイント
15%下げる98.5%+14.8ポイント
20%下げる104.6%到達できません
淡い木の机に広げた麻の布、落ちた一滴よりずっと広く染みが広がっている

ツールの提案を人が上書きするのは、どんなときですか

機械が知らない事情があるときだけです。稼働率の見栄えのために上書きすることはありません。

  • 設備の不具合が残っていて、直るまで売りたくない日付があるとき
  • 工事や地域の行事で、近隣への配慮が必要な日があるとき
  • 長期滞在の相談が入っていて、その前後を空けておきたいとき
  • イベントが決まったばかりで、まだ周辺の価格に表れていないとき
  • 清掃の手が足りず、同じ日に入れ替えを増やせないとき

料金の決定を、オーナーにはどう見せていますか

毎月のレポートに、稼働率と平均単価を必ず並べて出します。

片方だけならどちらにでも作れます。稼働率は値下げで買えますし、平均単価は売れない値段を貼れば上がります。2つ並んで初めて、その月に何をしたのかが読めます(民泊の収支)。

あわせて出すのは、これから90日の入り具合、料金で変えたことと理由、下限の値段です。下限は契約時に決め、こちらの判断だけでは下げません。値下げが変えるのは収入だけではなく、来るゲストの層でもあるからです(レビュー評価)。

代行会社には、料金について何を聞けばいいですか

料率より先に、この5つを聞いてください。どれも契約の前に答えられる質問です。

  • 価格の見直しはどの頻度か。毎日か、週に1回か、季節ごとの料金表か
  • 提案するのは何で、最終的に決めるのは誰か。ツールの提案をそのまま流していないか
  • 下限の値段は誰が決めるのか。オーナーの同意なしに下げられるのか
  • 月次レポートに稼働率と平均単価の両方が載るか。これから90日の入り具合も載るか
  • 空室が出たとき、値下げの前に何を動かすか。答えが値下げだけなら、レバーが1本しかないということです

料金の設定だけ、任せることはできますか

できません。値付けは清掃の回数、最低宿泊日数、ゲスト対応、レビューと同じ回路の上にあり、片方だけ握っても結果が動かないからです。動かすのは運営の全体で、料金はその中の1本のレバーです。

お預かりするのは東京23区と札幌市で、旅館業許可で動いている物件か、これから許可を取る物件です。年180日の民泊新法のまま運営をお任せいただくことはできません(旅館業許可と民泊新法)。同時にお預かりするのは5件までで、下見のうえでお断りすることもあります(お断りする物件)。

報酬は売上の20%からの成果報酬で、空いた月に固定の支払いはありません。この記事の数字は自社6室の記録で、他の物件の稼働率や単価をお約束するものではありません。料率の比べ方は運営代行の費用、契約書の読み方は運営代行の契約書に書いています。

物件の住所と部屋数を送って、値付けの考え方を聞く

よくあるご質問

民泊の料金は、毎日変えたほうがいいのですか
自社3棟6室では毎日見直しています。季節の料金表を作らないのは、需要の振れが大きく、先に書いた値段がずれたまま残るからです。2025年10月から2026年9月の12か月で、月別の稼働率は6室合計で18.6ポイント、東京の3室だけなら95.2%から60.0%まで35.2ポイント動きました(2026年10月1日時点)。作業は1棟あたり数分で、見るのは90日先までの売れ方、1泊2泊の穴、近隣の似た部屋の価格、その日付の行事です。
料金はツールが自動で決めているのですか
自社では、提案するのがツールで、決めるのは人です。ツールが日付ごとの希望価格を出し、それを通すか上書きするかを毎日判断します。上書きするのは、過去の予約データに出ていない事情があるときだけです。設備の不具合が残っている日、近隣への配慮が必要な日、長期滞在の相談で前後を空けたいとき、イベントがまだ周辺の価格に表れていないとき、清掃の手が足りないとき。稼働率の見栄えのために上書きすることはありません。
空室を埋めるために、値下げはどこまでやっていいのですか
値下げは日付に設定しますが、効くのはその日付をまたぐ予約の全泊数に対してです。自社の平均は3.3泊なので、d%の値下げは0.033d泊を差し出す計算になり、空室1泊を売るのと釣り合うのは1÷3.3=30.3%までです。料金全体を下げる場合は、自社の稼働率83.7%を出発点にすると、10%下げたら93.0%、15%下げたら98.5%まで稼働が上がって初めて売上が並び、20%下げると104.6%が必要で到達できません(2026年10月1日時点)。
長期割引は何%までなら得ですか
自社の直近12か月の数字では、およそ8.5%が境目でした。3.3泊の予約2件を6.6泊の1件にまとめると入れ替えが1回減り、稼働83.7%と平均3.3泊なら入れ替えは1室あたり月7.6回、清掃は売上の17.0%なので1回分は約0.56泊に相当します。割引は6.6泊すべてにかかるため、0.56÷0.066で8.5%です。前の12か月では8.8%でした。他社の数字を借りず、自分の清掃費と平均泊数で引き直してください。

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