運営代行をお受けできない物件は、場所、制度、収支、建物と近隣、期待のずれの5つのどれかで決まります。弊社の運営代行の手数料は売上の20%で、清掃・リネン・消耗品は実費です。稼がない物件を預かると、オーナー様は立ち上げ費用を失い、弊社は時間を失います。断るほうが、両方に安いのです。
この記事は、下見で何を見て、どこで「お受けできません」と言うかを、断る側が書いたものです。数字は2026年8月時点、自社3棟6室(東京と札幌)の12か月(2025年8月から2026年7月)の実績で、運営データに方法とあわせて公開しています。物件そのものの向き不向きは空き家を民泊にするに表があり、ここでは代行会社として断る側の理由に絞ります。
運営代行に断られる物件は、どんな物件ですか
断る理由は5つで、下見の前に分かるものが2つ、下見で分かるものが2つ、話してみて分かるものが1つです。場所と制度は住所と書類で決まり、収支と建物は現地で決まり、期待のずれは会話で決まります。
| 理由 | 何で決まるか | 直せるか |
|---|
| 場所 | 住所。駅から遠い。首都圏と札幌市から離れた地域は個別にご相談 | 駅からの距離は直せない |
| 制度 | 旅館業許可が取れる見込み。民泊新法なら営業日数の条件 | 制度の選び方で直せることが多い |
| 収支 | 清掃1回の手間と、取れる単価の釣り合い | 設計で直ることがある |
| 建物と近隣 | 構造と雨漏り、管理規約、苦情の履歴 | 費用しだい。規約は直せない |
| 期待のずれ | 稼働の保証、固定の額、任せきり | 話せば直ることが多い |
場所で断るのは、どんなときですか
弊社の対応エリアは首都圏と北海道札幌市です。それより離れた地域は、自社の宿と清掃チームから現地に人を出せるかどうかで決まるため、個別にご相談させて頂いています。
範囲内でも、駅から遠い物件は断ることがあります。自社3棟は平和島駅まで徒歩30秒、亀有駅まで徒歩約5分、北18条駅まで徒歩4分にあり、訪日ゲストの多くは車を借りません。徒歩10分を超える住所は価格を下げて埋める運営になり、下げた価格に清掃費がついてきません。区ごと、地域ごとの見立ては東京23区の民泊と札幌で民泊を始めるにあります。
制度で断るのは、どんなときですか
制度で難しくなるのは、旅館業許可を取りたくても見込みが薄い物件です。用途地域、建物の構造、消防設備の3つで決まり、決めるのは弊社ではなく、保健所と消防署への事前相談です。下見のあとにその確認を行い、見込みが低ければその時点でお伝えし、可能性のない工事はおすすめしません。制度ごとの収支の違いは旅館業許可と民泊新法の比較に、許可の手順は旅館業許可の取り方に書きました。
民泊新法(住宅宿泊事業)の物件もご相談頂けます。旅館業と民泊新法では、営業できる日数などの条件が異なるため、物件の状況やご希望を伺ったうえで、旅館業許可への切り替えも含めて物件に合った方法をご提案致します。自社6室は全て旅館業許可で運営しています。
収支で断るのは、どんなときですか
清掃1回にかかる手間と、その物件で取れる1泊の単価が釣り合わない物件は、お受けしません。自社では清掃が売上の17.5%で、運営コスト7費目の合計27.9%のうち最大の費目です。平均滞在は3.3泊、1室あたり月におよそ7.6回の入れ替えがあります。
この比率は物件で大きく動きます。広い戸建てで単価が取れない立地や、極端に狭くて単価が低い部屋では、清掃だけで売上の3割を超えることがあり、そこに弊社の手数料20%と他の費目を足すと、手元に残る割合は4割を切りかねません。金額の保証はしませんが、比率の見立ては下見の日に出せます。最低泊数や清掃料の設定で直ることもあり、直らなければ断ります。費目の内訳は運営コストの内訳に、残る割合の読み方は月次P/Lの読み方にあります。
建物と近隣で断るのは、どんなときですか
構造か雨漏りの補修が先に必要な建物と、管理規約で民泊が禁止されている区分所有の部屋は、お断りします。前者は費用の問題で、修繕費を民泊の収益で回収するには年数がかかりすぎます。後者は弊社に変えられるものではなく、規約の原本を下見の前に見せて頂きます。
近隣は履歴を見ます。以前に別の運営者が入って苦情が出た物件は、管理会社や掲示板への確認で分かることが多く、一度こじれた近隣は二度目の運営者にも同じ目を向けます。それでも受けることはありますが、始める前のご説明を弊社が行うことが条件です。実際に来る苦情の種類は近隣からの苦情に書きました。
期待のずれで断るのは、どんなときですか
稼働率を数字で約束してほしい、毎月決まった額を受け取りたい、契約したら一切関わりたくない。この3つのどれかを求められた場合は、「弊社ではありません」とお伝えします。
自社の稼働は12か月平均で83.6%、月ごとには76.3%から90.3%まで動きました。これは自社の記録であって、他の物件への約束にはなりません。決まった額ならサブリースが答えで、代行とは残るものが違います(サブリースと運営代行)。任せきりを望まれても、価格の方針と修繕の判断は月に一度オーナー様に戻ります。
なぜ断るほうが、オーナーにも安いのですか
断られた日の費用は、下見に使った半日だけです。断られなかった場合の費用は、許可と内装と家具の立ち上げ費用と、稼がない物件を抱える毎月です。弊社の手数料は売上の20%で、売上がなければ弊社にも入らないため、稼がない物件を預かる動機がありません。
固定料金で受ける代行会社では、この前提が変わります。空いた月にも料金が入るので、断る理由が薄くなります。契約の前に、その会社が過去に何件断ったかを聞いてみてください。料金モデルごとの違いは運営代行の費用にあります。
断られたら、次に何をすればよいですか
理由によって次が違います。5つのうち最初の2つは、写真とおおよその場所だけで判断できます。
- ◆場所:その街で自社の宿を運営している会社を探す。比較サイトの上位より、地元で自社物件を回している会社のほうが確かです
- ◆制度:保健所の事前相談で見込みを確かめる。見込みがあれば、弊社に戻ってきてください
- ◆収支と建物:普通賃貸、月極、売却と並べて比べる。民泊は選択肢の一つで、いつも最良ではありません
- ◆期待のずれ:自分で回すなら自主運営と運営代行、決まった額ならサブリース
物件を見せて、受けられるか聞く →