民泊を始める順番は、費用の安い順ではなく、降りるのが安い順に並べます。最初の5つのステップで使うのは時間だけで、どこでやめても失うお金がありません。6つ目、図面と工事を発注した日から、費用は建物に貼り付いて戻らなくなります。
この記事は、東京と札幌で3棟6室を旅館業許可で立ち上げた会社が、自分たちの踏んだ順番を書いたものです。数字は2026年8月時点、自社6室の12か月(2025年8月から2026年7月)の実績で、方法とあわせて運営データに公開しています。許可の手順は旅館業許可の取り方に、物件の向き不向きは空き家を民泊にするにあります。
民泊を始めるとき、何から順番にやればいいですか
10のステップを、降りたときに失うものが小さい順に並べます。最初の5つは時間しか使わず、6つ目の発注から費用が建物に残ります。順番を入れ替えて家具や撮影を前に持ってくると、その家具は保管費に変わります。
| 順番 | やること | ここで降りると |
|---|
| 1 | 住所と建物を確かめる | 30分。費用は0 |
| 2 | 旅館業許可か新法かを決める | 半日。費用は0 |
| 3 | 保健所に事前相談する | 使ったのは時間だけ |
| 4 | 消防署に事前相談する | 使ったのは時間だけ |
| 5 | 工事の見積もりを入れて収支を組む | 半日。費用は0 |
| 6 | 図面と工事を発注する | ここから戻りません |
| 7 | 近隣に説明する | やり直しがききません |
| 8 | 検査を受けて許可を申請する | 申請手数料 |
| 9 | 家具と備品を入れ、撮影する | 売れば一部は戻ります |
| 10 | 掲載して価格を決める | カレンダーが動き出します |
最初の30分で、何を確かめればいいですか
確かめるのは3つです。住所の用途地域、建物の延べ面積、そして分譲マンションなら管理規約、借りている物件なら賃貸借契約の転貸の条項。始められない物件のほとんどは、この3つだけで最初の30分に分かります。
3つとも、答えを出すのは記事ではなく書類と窓口です。用途地域は自治体の窓口か公開の都市計画図、延べ面積は図面か登記、規約と契約は原本で確かめます。ここで止まれば、費用は1円も使っていません。区による違いは東京23区の民泊に書きました。
旅館業許可と新法は、いつ決めるのですか
事前相談に行く前です。旅館業許可で進むのか、民泊新法(住宅宿泊事業)の届出で進むのかによって、相談する窓口も、求められる設備も、1年に売れる日数も変わります。決めずに相談に行くと、相談が二度手間になります。
届出のほうは年180日が上限で、残りの185日はどれだけ引き合いがあっても売れません。収支の組み方が根本から変わるので、比較は旅館業許可と民泊新法に分けました。自社6室はすべて旅館業許可です。株式会社AG STAYは住宅宿泊管理業者の登録を持たないため、新法のまま続ける物件はお預かりしていません。
事前相談では、何が決まりますか
事前相談で決まるのは、その物件で許可が取れる見込みと、消防設備に何が要るかの2つです。ここまで、費用はほとんどかかっていません。
順番は保健所が先で、図面の下書きを持って行くと話が早く進みます。消防署はそのあとで、必要な設備はここで決まります。決めるのは私たちでも一般論でもなく、管轄の窓口です。基準は自治体ごとに違い、ここで聞いた内容がそのまま工事の見積もりになります。許可の中の手順は旅館業許可の取り方にあります。
どこから、お金は戻らなくなりますか
図面と工事を発注した日からです。用途変更と消防設備にかけた費用は建物に貼り付き、民泊をやめても持ち出せません。
家具と家電は性質が違います。売れば一部は戻り、別の部屋でも使えます。だから順番では9つ目です。先に買うと、許可の見込みが立つまで倉庫に置くことになります。発注の前に、工事の見積もりを入れた収支を一度だけきちんと組みます。読み方は月次P/Lの読み方に、費目の比率は運営コストの内訳にあります。
営業開始日は、いつから逆算しますか
稼ぎたい月の、少なくとも6週間前には掲載を出します。自社449件の予約では、予約から到着までの中央値が42日、ちょうど6週間でした(2026年8月時点、自社6室の12か月)。
許可までが3か月から6か月なので、事前相談から数えると、最初の予約までにおよそ4か月半から8か月です。開業の月が選べるなら選びます。自社の稼働は12か月平均で83.6%、月ごとには76.3%から90.3%まで動きました。これは自社の記録で、他の物件への約束ではありません。都市ごとの波は民泊の季節変動に、リードタイムの使い方は予約リードタイムにあります。
最初の1か月には、何が起きますか
最初の1か月は、予約よりもレビューを集める月です。掲載した直後はレビューが0件で、同じ価格なら実績のある部屋が先に選ばれるからです。ここで強気の価格を置くと、最初の1件が遠のきます。
運営の密度は、初月から通常運転です。自社の平均滞在は3.3泊で、1室あたり月におよそ7.6回、新しいゲストが入ります。清掃は売上の17.5%、運営コスト7費目の合計は27.9%で、家賃と代行手数料は含みません。自社6室のレビューは364件、平均4.9ですが、これは1か月で集まったものではありません。星の扱いはレビュー評価に、入れ替え1回の中身は民泊の清掃にあります。
この順番のどこで、運営代行に相談すればいいですか
いちばん役に立つのは、5つ目と6つ目のあいだ、工事を発注する前です。戻れない線の手前で、工事の中身と収支の見立てを外から一度見られるからです。許可が下りてから来られることも多く、そのときには直せない部分が建物に固まっています。
ただし、物件が1件で自宅の近くなら、自分で回すほうが手元に残ることが多いです(自主運営と運営代行)。私たちがお受けするのは東京23区と札幌市の物件だけ、同時にお預かりするのは5件までで、下見でお断りすることもあります(お断りする物件)。報酬は売上の20%からの成果報酬で、空いた月に固定の支払いはありません。
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